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クラブサンドイッチ 1996年 春号 No.77
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商品番号:FAB11420028
イギリスのポール・マッカートニー公式ファンクラブ紙(英語版)。
約413×279mm(16.25×11インチ)の新聞判
1995年末から始まった『The Beatles Anthology』ブームの真っただ中に発行された号です。そして、もう一つの大きな柱が、ポールが長年取り組んできたLIPA(Liverpool Institute for Performing Arts)の開校。つまりこの号は、
「ビートルズ再始動」と「ポールの故郷への教育的貢献」
という、1996年のポールを象徴する二つの出来事を同時に記録しています。
■ 最大の読みどころ「TURNED OUT NICE AGAIN...」
かなり面白いのが、「TURNED OUT NICE AGAIN...」と題された『Anthology』特集です。
これは単純な『Anthology 2』の紹介ではなく、1995年秋から1996年初頭にかけて『Anthology』が世界を席巻していった様子を、当時の新聞記事、プレスリリース、Apple関係者からポールへのメモなどをつなぎ合わせて振り返る構成になっています。
たとえば、
- 『Anthology 1』の驚異的な売り上げ
- テレビ版『The Beatles Anthology』の視聴率
- 「Free As A Bird」への各界の反応
- アメリカでのチャート1位
- 世界各国でのゴールド/プラチナ認定
- 10代の新しいビートルズ・ファンの獲得
などが、かなり生々しい数字とともに掲載されています。
特に面白いのは、**「当時、Appleやポール側がどのようにAnthologyの成功を受け止めていたのか」**がリアルタイムの資料で分かること。
たとえば1995年11月の『Anthology 1』発売初週について、米国だけで855,473枚、さらに通常のSoundScan集計外の販売を含めると約100万枚という報告まで掲載されています。
現在から見ると「ビートルズが再び大ヒットした」という一言で済ませてしまいがちですが、No.77はその「再ブーム」がどれほど異常な規模だったのかを、当時の数字で体感できる資料なんですね。
■ 「Real Love」そして『Anthology 2』へ
1995年11月の「Free As A Bird」に続き、1996年3月には「Real Love」が発売され、『Anthology 2』も登場します。
したがってNo.77は、「Free As A Bird」の成功を振り返りつつ、いよいよ第2弾へ進むタイミングにあります。
ここはNo.75~76との違いも重要です。
- No.75=『Anthology』始動
- No.76=『Anthology 1』『Free As A Bird』の衝撃
- No.77=その成功を受け、『Anthology 2』『Real Love』へ
という流れです。
つまり、No.77は「再結成したビートルズがどうなったか」を伝える第2段階の記録なんです。
■ LIPAがついに開校!
そして、No.77でもう一つ非常に重要なのがLIPAです。
1996年1月30日、ポールが長年構想してきたLiverpool Institute for Performing Artsが正式に発足しました。これはポール自身の母校であるLiverpool Institute for Boysを再生し、演劇、ダンス、音楽、舞台技術などを学ぶ高等教育機関へと生まれ変わらせたものです。
No.77には、この1月30日のLIPA発足式の詳細なレポートが掲載されています。
記事では、ポールにとってこの日は単なる学校の開校ではなく、
「夢が現実になった日」
という位置づけで語られています。
ポールにとっては、自分が通った学校を残すことと、若い才能に「将来への希望」を与えることの二つが大きな目的でした。
■ ポールのLIPAに対する考え方
ここは、No.77のポールを理解するうえで結構重要です。
ポールはLIPAについて、芸能界は「ちょっと才能があれば誰でも成功できる」というような簡単な世界ではなく、
- 才能
- 努力
- 献身
- 挫折への耐性
- 教育
- 経験
が必要だと語っています。
そして、LIPAでは必ずしも「スター」を育てることだけが目的ではなく、
照明、音響、舞台技術、ダンス、作曲、マネージメントなど、舞台を成立させるあらゆる仕事に携わる人材を育てたい
という考えが示されています。
これは後年のポールの社会活動を見るうえでも重要な証言です。
■ Buddy Holly 60周年
もう一つ、この号らしい記事がBuddy Holly関連です。
1996年はバディ・ホリーが生きていれば60歳になる年。
そしてポールが1976年から続けてきたBuddy Holly Weekも、この年で21回目になります。
No.77では、バディ・ホリー60周年を記念してDecca/MCAが発売したトリビュート・アルバム『notfadeaway』などについて紹介。
ポール自身がこのアルバムに参加しているわけではありませんが、**「バディ・ホリーはポールにとってどれほど重要な存在なのか」**を再確認させる記事になっています。
■ ビートルズだけではない「ポールの過去」
この号には、もう一つ面白い記事があります。
「Band On The Run」のジャケット撮影を、改めてマーク・ルイソンが振り返っています。
つまりNo.77では、
1960年代=ビートルズ
1970年代=ウイングス
1990年代=Anthology/LIPA
というポールのキャリア全体を横断する構成になっています。
特にルイソンの記事は、1973年10月に行われたOsterley Parkでの『Band On The Run』ジャケット撮影を詳しく追ったもの。
単なる「昔話」ではなく、現在のポールを理解するために過去を掘り下げるという、後期『Club Sandwich』らしい編集ですね。
■ リンダの環境・動物保護活動
そしてNo.77の後半には、リンダとポールが支援していたベジタリアン/動物保護活動の記事もあります。
「AND IN THE GREEN CORNER」では、Vegetarian Societyのキャンペーン**「The Cull of the Wild」**を取り上げています。
テーマは、
- ダチョウ
- カンガルー
- ワニ
- バイソン
- バッファロー
などの「エキゾチック・ミート」の流行。
単なるベジタリアン料理の紹介ではなく、食肉産業と野生動物の扱いを批判する社会的な記事になっています。
さらに、No.75で掲載されたポーランドのファン、Julie Sabelfeldからの手紙への反響も紹介されています。読者同士をつなぐ「Club Sandwich」らしい企画ですね。
■ この号の資料的価値
No.77は、個人的にはかなり重要な号だと思います。
理由は、1996年春というタイミングが絶妙だからです。
① 『Anthology』の熱狂をリアルタイムで記録
「Free As A Bird」の成功を、後世の評価ではなく当時の新聞・Apple・レコード会社の資料を使って記録している。
② 「Real Love」発売直後
1996年3月という、まさにビートルズ再結集の熱が冷めていない時期。
③ LIPA開校
ポールが自分の音楽的成功を、次世代へ還元しようとした活動の大きな節目。
④ 過去の再検証
『Band On The Run』などウイングス時代も掘り下げている。
つまり、
「ビートルズの過去を振り返る号」であると同時に、「ポール自身が未来を作り始めている号」
なんです。
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